2023-05-22 Mon
湘南台駅の周辺が音楽であふれるSHOWなんだいDEショー。横浜ジャグバンドフェスの居酒屋けいこでもお馴染みの中華三番のひーちゃんが頑張って3年ぶりの開催です。
僕も今年は見に行きます。楽しみー!
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SHOWなんだいDEショー Vol. 9
日時:2023年5月27日(土)12:00-20:00
会場:湘南台駅(小田急線、相鉄線、横浜市営地下鉄)周辺の以下店舗
駅東口:中華三番、居酒屋かずどん、1 Café & Bar、Bar Outglowth、家庭料理じゅんちゃん、Bar ARS NOVA
日時:2023年5月27日(土)12:00-20:00
会場:湘南台駅(小田急線、相鉄線、横浜市営地下鉄)周辺の以下店舗
駅東口:中華三番、居酒屋かずどん、1 Café & Bar、Bar Outglowth、家庭料理じゅんちゃん、Bar ARS NOVA
駅西口:やっさいもっさい、創作居酒屋 風、Bar 北都館
料金:3,000円(各会場共通1日周遊券;当日販売)
出演:Mooney、高田エージ、Ami☆Tame、W.C.カラス、入船亭扇里、ROIKI、金尾よしろう、町田謙介、杉原徹、ナオユキ、ザディコキックス、大石みつのん、コージー大内、あおちゃんのびちゃん、小坂なおみ、ワタナベマモル、スカンクちかの&フレンズ、minko &アルバート寄木 w/ゆきどん、口石和人、The TACHOMETERS、ナギラアツシ、遠藤コージズ、華村灰太郎、高橋マコト、けんごちゃん、めおと楽団ジキジキ、碇&水木&後閑、鬼頭つぐる、リトルキヨシ、ハルシゲ楽団、Joe-Go、Burger Hoppys、木村直之、スーマー、THE DIXIE TRIBE、ROCK 'N' ROLL GUMBO、カトキチ、マユミール、衣美、江口優、藤縄てつや、東京珍太、ツカサ&櫻田、大久保理、龍麿、けんぢまん、キンキンバンド、VIVA、他
主催:湘南台音楽祭実行委員会
音響:SkE音楽工房
料金:3,000円(各会場共通1日周遊券;当日販売)
出演:Mooney、高田エージ、Ami☆Tame、W.C.カラス、入船亭扇里、ROIKI、金尾よしろう、町田謙介、杉原徹、ナオユキ、ザディコキックス、大石みつのん、コージー大内、あおちゃんのびちゃん、小坂なおみ、ワタナベマモル、スカンクちかの&フレンズ、minko &アルバート寄木 w/ゆきどん、口石和人、The TACHOMETERS、ナギラアツシ、遠藤コージズ、華村灰太郎、高橋マコト、けんごちゃん、めおと楽団ジキジキ、碇&水木&後閑、鬼頭つぐる、リトルキヨシ、ハルシゲ楽団、Joe-Go、Burger Hoppys、木村直之、スーマー、THE DIXIE TRIBE、ROCK 'N' ROLL GUMBO、カトキチ、マユミール、衣美、江口優、藤縄てつや、東京珍太、ツカサ&櫻田、大久保理、龍麿、けんぢまん、キンキンバンド、VIVA、他
主催:湘南台音楽祭実行委員会
音響:SkE音楽工房
各会場のタイムテーブル(公式サイトより)
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2023-05-18 Thu
今年のゴールデンウィークは、17年ぶりに開催されたハイドパーク・ミュージック・フェスティバルに2日間出かけました。前回も行っていますが、細かいことは記憶の彼方に消えるほど昔のような気がします。
トムズキャビンの麻田浩さんの思いの詰まったこのフェス。2005年、2006年と麻田さんの地元狭山市の稲荷山公園にて開催され、熱心な音楽ファンで賑わいを見せたものの2007年以降は企画されることはなく、歳月が流れました。やはり採算という面では厳しいものがあったようです。
トムズキャビンの麻田浩さんの思いの詰まったこのフェス。2005年、2006年と麻田さんの地元狭山市の稲荷山公園にて開催され、熱心な音楽ファンで賑わいを見せたものの2007年以降は企画されることはなく、歳月が流れました。やはり採算という面では厳しいものがあったようです。
企画から実施まで少人数で動いたそうですが、前回にも増して素晴らしいフェスになりました。出演者には海外勢こそいませんでしたが、ベテランから若手まで、層の厚いラインアップで楽しませてくれました。
以前はなかったサブステージの設置によって出演者の幅も広がりましたし、交互にパフォーマンスが展開されたので途切れることなく音楽を楽しむことができました。入場時に配られたプログラムも無料でいただくのは申し訳ないほどのしっかりとした作りでした。
心配だったお天気も2日目に時折パラパラと小雨が降ったものの大きく崩れることはなく、まずまずだったのではないでしょうか。
春の稲荷山は新緑に覆われ気持ちよかった!都心からさほど遠くない地ながら、フジロックのような山の中でのフェスのような趣きもありました。こういう環境でいい音楽をたくさん浴びるとビールにつまみが進みます。最高でした。
2日間のフィナーレを飾った小坂忠トリビュートは登場するアーティストも豪華で、よく練られたことを窺わせるその内容はそのままライヴ盤にしてほしいと思いました。最後は麻田さんと忠さんの娘さんも加わり”ありがとう”で締める心温まるセットでした。サニー・デイ・サービスも元気溢れる気合の入ったステージを見せてくれました。ジェイムズ・ブラウンばりのファンクをガツンとかました在日ファンクも思わず踊りだしたくなるかっこよさだったし、民謡クルセイダーズも以前見たときよりパワーアップしたように感じました。
すごいなと思ったのは、オリジナル・ラブの田島貴男。たったひとりでギターの弾き語りのライヴを繰り広げましたが、テンションの高さにただただ圧倒されました。レゾネーターでスライドはやるは足でリズムとりながらソロもガンガン弾くわで、ひとりでフルバンド以上のことをやっているようにも思えました。
あと、初めて名前を聴くアーティストで特に素晴らしいと思ったのはイーノマヤコといーはとーゔです。イーノはジェシー・エド・デイヴィスをBGMに登場したときから「これはいけるかも?」という予感がしましたが、大当たり。アメリカン・ルーツ・ミュージックの香りを感じさせるサウンドが気持ちいいといったらないです。本人の歌も透き通るような清涼感があってよかったのですが、彼女のアコースティックギター、そしてマンドリンの響きがよかったですね。思わずCDを買ってサインしてもらいました、
いーはとーゔはメンバーはまだ若いようですが、ザ・バンドを彷彿させるサウンドは僕の好みのツボでした。
他にもいろいろ感想はありますが、フェス終了後、暫くこの素晴らしい2日間の余韻に浸っておりました。来年も是非開催してほしいです。
2023-05-10 Wed
ヒューイ・"ピアノ"・スミス伝の日本語版出版から約半年が経ちました。とにかく読んでもらいたいとの思いが先行して出版に突っ走りましたが、これまで当初の予想以上の反響をいただいております。
買っていただいた方、口コミをして頂いた方、メディアで取り上げていただいた方、Tシャツ/グッズを作って盛り上げてくれた方、本当にありがとうございます。図書館にも少しずつ入れていただいており、僕が把握している範囲で現在全国の公立、大学図書館28か所に入っています。(情報源:カーリルローカル、CiNii Booksならびに各図書館サイト)
昨日出版社のDU BOOKSから販売数のレポートをもらいました。今のところ販売は好調で、初版分の出版社在庫はほぼなくなりそうな状況です。もちろん今後流通から返品があるでしょうから、本当になくなるまでには暫くかかりそうですが、その状況によっては、増刷もあるかも知れません。そんなのあり得ないと思っていましたが、そうとも言えなくなってきました。
出版社を探す中、「興味深いがこれは売れない」と言われ続けてきました。行き着いたのは超小規模な出版でしたので、初版在庫が底を尽きかけている程度で胸を張って「売れた!」と言えるのかはわかりませんが、僕も個人的に100冊以上手売りしましたし、買っていただいた人から感想も寄せていただいており、手ごたえを感じています。
この状況は今後同様の伝記本の翻訳出版を検討してもらう際、明るい材料となりうるのではと思います。海外では数多くの音楽関係の書籍が出ていますが、翻訳されているものはほんのひと握り。そういう埋もれた本の翻訳出版が今後進んでほしいです。
この本をきっかけにヒューイを知った、聴きなおしたという声もいただきました。嬉しいですねー。
彼は亡くなってしまいましたが、今後も彼の音楽を聴いてほしい。プレイしてほしい。そう願っております。彼の音楽は、大げさ抜きで生きる活力となる楽しいものです。
オプションで作成したHuey “Piano” Smith Databookもじわじわと売れていて、手持ちがなくなってしまったので先日3回目の増刷をしました。そちらも興味がありましたら、ぜひどうぞ。
2023-05-08 Mon
5月8日はデルタ・ブルースの雄、ロバート・ジョンソンのお誕生日です。彼は1911年5月8日、ミシシッピ州南部のヘイゼルハーストに生まれました。そして1936年、1937年の2回のセッションで29曲をレコーディングしたのち、1938年8月16日、27歳の若さで亡くなったのです。彼の死についてはジョンソンが手を出した女の夫によって殺害されたと言われていますが、謎な部分も多く、死亡証明書には死因すら書かれていません。
亡くなってから85年が経過してなお彼の音楽は多くの人を惹きつけています。
3年前の2020年、彼の義理の妹であるアニエ・アンダーソン(Annye C. Anderson)による回想録が英語で出版され、話題になりました。その内容はこれまでのジョンソンのイメージを覆すもので、僕もおおいに興味をもって読みました。この本は近々和訳版が出版されるそうです。是非ともブルース・ファンには読んでほしい一冊です。
3年前にブルース&ソウル・レコーズ誌で僕書いた記事を記事をここに紹介させてもらいます:
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Brother Robert: Growing Up with Robert Johnson
Annye C. Anderson
Hachette Books
ISBN-10: 0306845261
ISBN-13: 978-0306845260
2020年春、ロバート・ジョンスンの未公開写真とされるものが公開され、ちょっとした話題となった。その写真を持っていたのがこの本の著者アニエ・アンダースン、今年94歳となるジョンスンの義理の妹に当たる人物だ。写真が本物ならば、彼の写真としては3枚目ということになる。
Annye C. Anderson
Hachette Books
ISBN-10: 0306845261
ISBN-13: 978-0306845260
2020年春、ロバート・ジョンスンの未公開写真とされるものが公開され、ちょっとした話題となった。その写真を持っていたのがこの本の著者アニエ・アンダースン、今年94歳となるジョンスンの義理の妹に当たる人物だ。写真が本物ならば、彼の写真としては3枚目ということになる。
しかし正直僕は懐疑的だった。前回の写真が公開されてから30年が経っている。その間にもジョンスンとされた写真が出回ったことがあったが結局、鑑定の結果否定されている。そんな写真があるのならば、なぜ今まで「隠し持って」いたのか?血縁関係もないこの人物は何者なのだろうか?当初は、そんな疑いを持ってしまった。
しかし、この本を読み進めるうちにアニエの語るストーリーに引き込まれ、そんな思いはどこかへ消えてしまった。ジョンスンが1938年に亡くなった際、アニエはまだ12歳の少女だったが、生まれてからそのときまで生活を共にしており、彼の人となりを本書で克明に語っている。今回の写真は、本書執筆の話が出た段階で彼女が出してきたものであり、既に公開されているジョンスンがタバコを加えている写真と同じときに撮影されたものだ。その際、彼女はジョンスンと一緒にいたといい、その状況も語っている。偽物と疑う理由はないと感じた。
アニエは、ジョンスンの母親(ジュリア・ドッズ)の夫だったチャールズ・ドッズを父親に持ち、彼の再婚相手が母親だ。ジョンスンが生まれた際ジュリアはチャールズとまだ婚姻関係にあったものの、ジョンスンの父親は別の男性だった。このためアニエとジョンスンには血縁関係はない。しかし、ジュリアはチャールズと別れた後、生活に困窮し幼いジョンスンをチャールズに託したのだった。その後、アニエが生まれた。2人はそういう経緯で家族として一緒に生活していたのだ。アニエは幼少期をメンフィスでジョンスンと過ごし、その後ワシントンDCで大学を卒業、ボストンで教師となった。現在はマサチューセッツ州アマーストに住んでいる。
本書は、「Beale Street Dynasty」等の著書で知られるライター、プレストン・ローターバックがアニエにインタヴューを行い、それを書き起こす形で執筆された。アニエは本書を出すに当たり、1930年代のメンフィスについて造詣が深いライターを希望していたことから彼に白羽の矢が立ったという訳だ。
この本の魅力は、これまで我々音楽ファンが思い描いていたジョンスンの人物像とは全く違った視点から彼のことを描き出していることにある。これまでのジョンスンのイメージと言えば、放浪生活を送りながら音楽活動をしたこと、あるいは悪魔に魂を売り渡したことなどはよく言われるが、彼がどういう人だったのかは謎に包まれたままだった。
アニエが今回ジョンスンのことを語ろうと決意したことはまさにそこに関係がある。彼女にはこれまでもインタヴューのオファーはあったそうだが、断っていたのだという。家族が関知しないところで、ジョンスンの伝説が独り歩きする状況で、自分が語っても、嘘の中に埋もれてしまうだけ、彼女はそう考えていた。しかし、彼女も歳を取り、今語らねば自分が死んだら本当のジョンスンの姿は知られることなく永遠に消えてしまうという思いから、本の出版を希望したのだそうだ。
彼女が強調しているのは、ジョンスンにも愛する家族がいたということ。彼女は本書の中で家族のことはもちろん、当時住んでいたメンフィスの街の様子、そして近所の人々のことなどを語っており、当時の彼らの生活が目に浮かぶようだ。
そしてそれは、当時の米南部の黒人の暮らしの厳しさをも教えてくれる。アニエの父チャールズは白人との暴力沙汰に巻き込まれ、ヘイゼルハーストに妻ジュリアを置いたまま、姓を変えてメンフィスに逃げざるを得なかった。ジュリアはその後別の男性との間にジョンスンを産み、チャールズはメンフィスでアニエの父親になった。アニエは本書の中で、その不幸な事件がなければジョンスンも彼女もこの世にはいなかっただろうと語っている。その事件のことを彼女は父親から直接聞いていたのだった。
彼女はジョンスンが亡くなったときのことにも触れている。彼の死を伝える電報が届き、家族が大きなショックを受けていたこと。すぐに家族が現地に赴き遺体を引き取ろうとしたものの、既に埋葬されていたこと。なぜ亡くなったのかはわからずじまいだったとことなどが記されている。
ジョンスンが亡くなったあとの事柄にページを割いているのも興味深い。アニエ自身のことも含め、その後の家族の足取りを記している。ジョンスンの姉、キャリー・トンプスンとスティーヴ・ラヴィア、マック・マコーミックとの関わり合いに関する記述は胸が痛む内容だった。特にラヴィアについては、キャリーから借りたジョンスンの写真を返却せず、無断で自分の著作物として登録してしまったこと。彼女のためにジョンスンのロイヤルティを回収すると申し出ておきながら、彼女には支払わず自らの私服を肥やしていたことなどを証言している。
アニエは、キャリーが1983年に他界するまで親密な関係を維持しており、ラヴィアとの揉め事では年老いたキャリーに代わり弁護士にコンタクトするなど、彼女をサポートしていた。ラヴィア、マコーミックの件はこれまでも語られてきているので、全く新しい話ではないが、ここで語られる内容は詳細で生々しい。「私の家族はロバート兄さんを二度失っているのです。一度は彼がミシシッピ州で殺害されたとき、二度目は金の亡者たちが作り話をばら撒き、私たちから写真と思い出を盗み、それによって金儲けをしたときです」アニエはそう語っている。
アニエが1970年代にジョンスンの情報を求めてブルース・ミュージシャンたちに会いに行った話も目を引く内容だった。中でも印象に残ったのはウォルター・ホートンの話だ。彼はメンフィスでジョンスンと共演しており、アニエもそれを覚えていた。それから40年後、彼女はケンブリッジのクラブでホートンに再会。彼はすっかり年老いていたが、アニエのことをよく覚えていたと言うのだ。
ジョンスンを直接知る最後の人がこのような形で語ってくれたことの意味は非常に大きい。和訳版もぜひ期待したい。
(陶守正寛; ブルース&ソウル・レコーズ誌 No. 155より)
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日本語版の出版に関する詳細がわかりましたら、改めて紹介したいと思います。