2022-11-18 Fri
本日2022年11月18日、ヒューイ・"ピアノ"・スミス伝が発売になりました。
皆さん是非読んでね!拙訳はさておき、内容の濃さ、素晴らしさは保証します。ヒューイのことを知らないけど読んでみたいという人は、ネット検索からでもいいので、彼の曲を流しながら聴いてみてください。僕も翻訳しながらそうしていました。ウキウキわくわく楽しくなってくるはずです。
彼の最も有名な曲のひとつ、"Don't You Just Know It"の歌詞を書き出して訳してみました。この繰り返される"Don't You Just Know It"というフレーズ、シンプルながら意外と訳が難しい。直訳すると「知らないのですか?」という感じですが、まあ歌詞を見てもらえばわかりますが、そんなに深い意味はないのだろうと思います。荒唐無稽な歌詞をルーズヴェルト・ライト(低音)、ジェリ・ホール(女性)、ボビー・マーシャン(アハハハの部分)とリードを歌いつなぎ、それに呼応するように入るコーラスは恐らくヒューイも含めその場にいた全員がやっているんでしょう。
カバーバージョンでは歌詞を変えて歌っている人も多いです。久保田麻琴のバージョンなどもそうですね。日本語ですが、英語の訳詞というわけでもないです。
なんだかよくわからないけど、なんとなく笑っちゃって楽しくなってくる曲です。
もう終了しちゃったみたいだけど1年以上に渡り香取慎吾出演のサントリー金麦THE LAGERのCMで流れていましたね。これはカバーのように聞こえますが、雰囲気はオリジナルそのままです。
この曲が誕生したいきさつも本には書かれているので、それとあわせてどうぞ。
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Don’t You Just Know It
Written by Huey P. Smith and Johnny Vincent
© Cotillion Music Inc. Pamco Music Inc. All rights reserved
*文字起こしと和訳:陶守正寛
Written by Huey P. Smith and Johnny Vincent
© Cotillion Music Inc. Pamco Music Inc. All rights reserved
*文字起こしと和訳:陶守正寛
俺のものを使えば負けはないだろう
(しらないのか?)
私の靴は左足だけ二つ
(しらないのか?)
[コーラス]
アハハハ(アハハハ)
エーイオ(エーイオ)
グバグバグバグバ(グバグバグバグバ)
アハハハ(アハハハ)
アハハハ(アハハハ)
エーイオ(エーイオ)
おいカワイ子ちゃん散歩でもいかが?
(しらないのか?)
ロックするところをロールしちゃったよ
(しらないのか?)
[コーラス]
ベイビー、ベイビー、愛しい人よ
(しらないのか?)
突っ込むところを押しこんじゃったよ
(しらないのか?)
[コーラス]
山は高いほど風は涼しいんだ
(しらないのか?)
カップルは若いほど強く抱きしめあうんだ
(しらないのか?)
[コーラス]
(しらないのか?)
私の靴は左足だけ二つ
(しらないのか?)
[コーラス]
アハハハ(アハハハ)
エーイオ(エーイオ)
グバグバグバグバ(グバグバグバグバ)
アハハハ(アハハハ)
アハハハ(アハハハ)
エーイオ(エーイオ)
おいカワイ子ちゃん散歩でもいかが?
(しらないのか?)
ロックするところをロールしちゃったよ
(しらないのか?)
[コーラス]
ベイビー、ベイビー、愛しい人よ
(しらないのか?)
突っ込むところを押しこんじゃったよ
(しらないのか?)
[コーラス]
山は高いほど風は涼しいんだ
(しらないのか?)
カップルは若いほど強く抱きしめあうんだ
(しらないのか?)
[コーラス]
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I can't lose with the stuff I use
(Don't you just know it?)
Baby, don't believe I wear two left shoes
(Don't you just know it?)
[chorus]
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ay-ay-oh (ay-ay-oh)
Gooba-gooba-gooba-gooba (gooba-gooba-gooba-gooba)
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ay-ay-oh (ay-ay-oh)
Hey pretty baby, can we go strollin'?
(Don't you just know it?)
You got me rockin' when I oughta be rollin'
(Don't you just know it?)
[chorus]
Baby, baby, you're my blue heaven
(Don't you just know it?)
You got me pushin' when I oughta be shovin'
(Don't you just know it?)
[chorus]
Higher the mountain, cooler the breeze
(Don't you just know it?)
Younger the couple, the tighter they squeeze
(Don't you just know it?)
(Don't you just know it?)
Baby, don't believe I wear two left shoes
(Don't you just know it?)
[chorus]
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ay-ay-oh (ay-ay-oh)
Gooba-gooba-gooba-gooba (gooba-gooba-gooba-gooba)
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ah-ha-ha-ha (ah-ha-ha-ha)
Ay-ay-oh (ay-ay-oh)
Hey pretty baby, can we go strollin'?
(Don't you just know it?)
You got me rockin' when I oughta be rollin'
(Don't you just know it?)
[chorus]
Baby, baby, you're my blue heaven
(Don't you just know it?)
You got me pushin' when I oughta be shovin'
(Don't you just know it?)
[chorus]
Higher the mountain, cooler the breeze
(Don't you just know it?)
Younger the couple, the tighter they squeeze
(Don't you just know it?)
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2022-11-09 Wed
11月6日の日曜日は、福生ブルースフェスティバルを見に行ってきました。始まったのは2006年というさりげに息の長いフェスですが、ご多分に漏れず、新型コロナの影響で2020年、21年と中止となり今回は3年ぶりの開催となりました。
僕は前回2019年に初めて出かけ今回は2回目。会場が変わり装いも新たに復活したフェスでしたが、3年前と比べてパワーアップしていました。当日は気持ちのよい快晴で気温もこの季節にしては結構暖かく、願ってもないフェス日和。そのためか、明らかに3年前よりお客さんの出足がよく、いい具合にいっぱいになっていました。
このフェスを企画・運営しているのはドラマーのチッコソウマさんと、TOKYO BLUESの地ビールで知られる石川酒造。今回の会場は地元福生のハムメーカー、大多摩ハムの駐車場だったのですが、聞くところによると、石川酒造が大多摩ハムを傘下に収めたそうで、それで会場がここになったようです。会場のすぐ隣にはハム工場があり、そこでは石川酒造のお酒もストックしているので、フェス会場ではおいしい日本酒、生ビール、そしてハムやホットドッグが売られていました。これはフェス環境としては完璧。しかも、途中売切れても、すぐに補充されるのです。
僕は前回2019年に初めて出かけ今回は2回目。会場が変わり装いも新たに復活したフェスでしたが、3年前と比べてパワーアップしていました。当日は気持ちのよい快晴で気温もこの季節にしては結構暖かく、願ってもないフェス日和。そのためか、明らかに3年前よりお客さんの出足がよく、いい具合にいっぱいになっていました。
このフェスを企画・運営しているのはドラマーのチッコソウマさんと、TOKYO BLUESの地ビールで知られる石川酒造。今回の会場は地元福生のハムメーカー、大多摩ハムの駐車場だったのですが、聞くところによると、石川酒造が大多摩ハムを傘下に収めたそうで、それで会場がここになったようです。会場のすぐ隣にはハム工場があり、そこでは石川酒造のお酒もストックしているので、フェス会場ではおいしい日本酒、生ビール、そしてハムやホットドッグが売られていました。これはフェス環境としては完璧。しかも、途中売切れても、すぐに補充されるのです。
出演は10:30から17時までの6時間あまりで計9組。前回に続き車いすに乗ったヴォーカリスト、ショットガン・ビリー率いるThe Sound Checkersが力強くトップを飾り、その後も多彩なラインアップで楽しませてくれました。関西からやってきたNacomiさんのBlues Templeはちょっとメンバーが変わっていたけど、Nacomiさんのオリジナルも織り交ぜながら変わらぬご機嫌なサウンドを聴かせました。Nacomiさんが「飛び道具」と称するギターのピエール落合(御年71歳)も強烈なキャラを押し出し元気元気!
さりげなく近藤房之介がバックに加わる形で王道のシカゴ・ブルースをかましたLittle Waters(リトル・ウォルターとマディ・ウォーターズしかやらないからこの名前なんだそう)もカッコよかったし、菊田俊介のBlues Companyも不動のメンバーで場数を相当踏んでおり安定感はピカいち。大久保初夏ちゃんのブルース・プロジェクトもノリノリでしたね。ロックっぽいテンションの高さを持ちつつも、変わらないブルース愛は素晴らしい。この日の出演者の中では若手ながら、貫禄すら感じました。初夏ちゃんは小学生の頃から見ているけど、ずいぶん立派になったなぁと親戚のおじいちゃんのような感想を持ってしまいましたw。
みんな楽しめたんですが、ベストを一つだけ挙げるとすれば、それは迷うことなくロブ・ストーン(harp, vo)・トリオでした。昨年リリースのロブのトリオ編成のアルバムがすごくよかったので、そのままのメンバー(加藤エレナ-p、江口弘史-wb)で出演となればそれは期待も高まるというもの。その期待感を軽く超えていく圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。シンプルな編成ながら、スウィング感溢れるブルースを貴重にソウル・ナンバーも混ぜ込んだ選曲はツボにはまりました。サム・クックの”Nothing Can Change This Love”など、アルバムに入っていたものとは違う選曲も多く、聴きごたえは充分。ソロモン・バークの”Got To Get You Off My Mind”なんて本来はホーン・セクション入りの大所帯でやる曲ですが、最小の編成でもグルーヴはばっちりでしたよ。チャック・ベリーの"Too Much Monkey Business"ではLittle WatersのKotez (harp)も飛び入りし、賑やかに締めました。
終演後CDにサインをもらいに行きましたが、僕が「素晴らしいライブでした」と言ったらロブは「一緒にやっている二人が最高だからね。僕は脇役みたいなもんだよ」なんて言っていましたが、いやいやいや、3人揃ってこそのサウンドでしたし、ハーモニカのプレイも場を盛り上げる進行も、ロブのセンスは卓越したものを感じました。こんなご時世ですが、来日できてよかったです。
そしてラストは近藤房之助を中心としたオールスターでのジャム。オーティス・ラッシュのカバー(”Looking Back”)など、Little Watersではサポート役に徹した房之助が今度は前面に自分のカラーを出し、全体を仕切り盛大にフィナーレを迎えました。
そしてラストは近藤房之助を中心としたオールスターでのジャム。オーティス・ラッシュのカバー(”Looking Back”)など、Little Watersではサポート役に徹した房之助が今度は前面に自分のカラーを出し、全体を仕切り盛大にフィナーレを迎えました。
近藤”蘊蓄斎”房之助 SUPER SESSION
関係者の皆さん、出演者の皆さんお疲れ様でした。
子供たちに車椅子を送るチャリティーというフェスの趣旨も大きな拍手を贈りたいです。
今後も盛大に続きますように。
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第15回 福生ブルースフェスティバル
2022年11月6日(日)10:30-17:00 (Open 10:00)
福生大多摩ハム駐車場
前売 3,000円 当日 3,500円
主催 合同会社ドラパラ、協力 石川酒造、WE LOVE FUSSA
公式サイト http://fussa-bf.jugem.jp/
問い合わせ 福生ブルースフェスティバル実行委員会 TEL.070-6574-7755
◆出演者とタイムテーブル
10:35-11:00 The Sound Checkers
ショットガン・ビリー(vo), 林 左知恵(key,vo), 石川 太郎(hca), 後藤 輝夫(ts), 表 雅之(as), 大西 真(b), Winter Spencer(per), Marty Bracey(ds)
11:00-11:40 こばや from 名古屋
チャビー(vo, g), ミゲル(g), 大西 真(b), Winter Spencer(per), チッコ ソウマ(ds)
11:40-12:10 Nacomi & The Blues Temple from 大阪
Nacomi(g, vo), ピエール 落合(g, vo), Natsuko Miura(hca), 川辺 ペッペい(b), 中山 幸也(ds)
12:10-12:50 ALRIGHT w/うえむらかおる (vo)
マリオ 中島(g, vo), 江口 弘史(b), チッコ ソウマ(ds), 後藤 輝夫(ts), 表 雅之(as), Winter Spencer(per)
12:50-13:40 Shoka Okubo Blues Project
大久保 初夏(g, vo), 芹田 珠奈(b, cho), 其原 誠元(ds, cho)
13:40-14:30 Little Waters w/近藤”蘊蓄斎”房之助 (g)
KOTEZ(vo, hca), 小安田 憲司(g, vo), 江口 弘史(wb), チッコ ソウマ(ds)
14:30-15:20 Blues Company
菊田 俊介(g, vo), Lee Kanehira(key), 片野 篤(b), Marty Bracey(ds)
15:20-16:20 Rob Stone Trio
ロブ・ストーン(hca, vo), 加藤 エレナ(key), 江口 弘史(wb)
16:20-16:50 近藤”蘊蓄斎”房之助 SUPER SESSION
近藤 房之助(g, vo), 小安田 憲司(g), 大西 真(b), Marty Bracey(ds), 後藤 輝夫(ts), 表 雅之(as), Winter Spencer(per) 他
◆2019年のフェス・レポート
2022-11-01 Tue
ヒューイ・”ピアノ”・スミスの伝記本が11月18日(金)に発売になります。
僕の手元には11月10日に手売り分が到着する予定ですので、そこから販売を開始します。いち早く手にしたいという方は僕と一杯行きましょう(笑)。
出版記念イベントが2本予定されています。どちらも今予約受付中です。お店または僕に言ってくれても大丈夫です。
ふるってご参加ください。
【出版記念イベント:その1】ウクレレライブとDJの夕べ
11月27日(日) 神楽坂K.WEST (tel. 03-6265-0309)
17:00開場 18:00開演
Charge ¥2,000 + ドリンク代
・ニューオーリンズ愛に溢れたCDをこの夏にリリースした藤井康一のライヴ
・DJ : 二見 潤、文屋 章
・翻訳者、陶守正寛のトーク
【出版記念イベント:その2】ルイジアナ・ライブの夕べ
12月10日(土) 中野ブライトブラウン (tel. 080-3024-4685)
18:00開場 18:30開演
Charge ¥2,200 + ドリンク代
【出版記念イベント:その3】大阪出張販売の巻
12月3日(土) 大阪塚本 ハウリンバー (tel. 06-4868-2212)
18:00開場 19:00開演
Charge ¥3,000 (1ドリンク込み)
出演:Zydeco Kicks
これは、本当は出版記念イベントではありませんが、東京のイベントでお世話になるZydeco Kicksの大阪公演に陶守が付いて行って本を手売り販売する予定です。後述のデータブックやTシャツも持っていきますので、ぜひぜひお買い求めください。
《物販コーナー》
各イベントではヒューイの本はもちろん、色々と物販を行う予定です。
・伝記本「ロッキング・ニューモニア・ブルース」
・ヒューイ・“ピアノ”・スミス出版記念Tシャツ(文屋章さん特製)
・ヒューイ・“ピアノ”・スミス・データブック など
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ニューオーリンズR&Bをつくった男 ヒューイ・"ピアノ"・スミス伝
ロッキング・ニューモニア・ブルース
原題 Huey "Piano" Smith and the Rocking Pneumonia Blues
ジョン・ワート [著] 陶守 正寛 [訳]
発売 2022年11月18日
A5・並製・456頁予定
予価(本体3,400円+税)
ISBN: 978-4-86647-182-2
発行元:DU BOOKS
発売元:株式会社ディスクユニオン
《ヒューイ・“ピアノ”・スミス・データブック》
伝記本のお供にと、ヒューイ・”ピアノ”・スミス・データブックなるものを用意しました。
ヒューイの歩みについては本に詳しく書いてありますが、そこでも触れているレコードや参加メンバーなどのデータを別添の冊子にしました。これを見ながら本を読み進めていただくと、本の内容がわかりやすい、楽しさ二倍!本は全国の書店やCD屋さんでもご購入いただけますが、データブックは陶守の手製のため、イベント等での直販のみです。(B5サイズ冊子、40ページ)予価500円(税込)です。
==掲載予定===
・Huey “Piano” Smith Discography
全シングル・リスト+代表的なLP、CDの紹介
・Huey Smith Covers
ヒューイの主要20曲のカバー・バージョンのリスト
・映画の中のヒューイの楽曲
ヒューイの楽曲が使われた映画のリストです。
・Huey Smith – Group History
ヒューイのグループで活躍した多彩なシンガー、ミュージシャンを年代別に追いました。
《出版連動企画》
雑誌Blues & Soul Records誌では、10月25日発売の168号でヒューイのディスコグラフィーを中心とした4ページを企画しました。ライターは文屋章さんです。こちらもぜひぜひ。
[伝記日本版刊行記念]ニューオーリンズR&Bの生ける伝説ヒューイ・ピアノ・スミス
また、芽瑠璃堂さんでは、出版に合わせてヒューイ・"ピアノ"・スミスを大プッシュ中です。11月27日のK.WESTのイベントにもCDを持って来場される予定です。乞うご期待!
《チラシ配布中》
本の発売を告知するためのチラシをDU BOOKSさんに作ってもらいました。錚々たる方々から応援コメントも寄せていただきました。引き続き配布中ですので置いていただけるお店があればお知らせください。お届けします。