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ハイドパーク・ミュージック・フェスティバルの余韻に浸っています。
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今年のゴールデンウィークは、17年ぶりに開催されたハイドパーク・ミュージック・フェスティバルに2日間出かけました。前回も行っていますが、細かいことは記憶の彼方に消えるほど昔のような気がします。

トムズキャビンの麻田浩さんの思いの詰まったこのフェス。2005年、2006年と麻田さんの地元狭山市の稲荷山公園にて開催され、熱心な音楽ファンで賑わいを見せたものの2007年以降は企画されることはなく、歳月が流れました。やはり採算という面では厳しいものがあったようです。

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今回麻田さんが再びこのフェスをやろうと決断したのは親交が深かった小坂忠さんが亡くなったことが大きかったといいます。彼のトリビュート・セットを企画し、それをフィーチャーすることでフェスを復活させようということだったそうです。麻田さんももう80歳に手が届くお歳なので、ここで今一度これまでの仕事の集大成をしたかったということもあるのかも?なんて想像しました。

企画から実施まで少人数で動いたそうですが、前回にも増して素晴らしいフェスになりました。出演者には海外勢こそいませんでしたが、ベテランから若手まで、層の厚いラインアップで楽しませてくれました。

以前はなかったサブステージの設置によって出演者の幅も広がりましたし、交互にパフォーマンスが展開されたので途切れることなく音楽を楽しむことができました。入場時に配られたプログラムも無料でいただくのは申し訳ないほどのしっかりとした作りでした。

心配だったお天気も2日目に時折パラパラと小雨が降ったものの大きく崩れることはなく、まずまずだったのではないでしょうか。

春の稲荷山は新緑に覆われ気持ちよかった!都心からさほど遠くない地ながら、フジロックのような山の中でのフェスのような趣きもありました。こういう環境でいい音楽をたくさん浴びるとビールにつまみが進みます。最高でした。

2日間のフィナーレを飾った小坂忠トリビュートは登場するアーティストも豪華で、よく練られたことを窺わせるその内容はそのままライヴ盤にしてほしいと思いました。最後は麻田さんと忠さんの娘さんも加わり”ありがとう”で締める心温まるセットでした。サニー・デイ・サービスも元気溢れる気合の入ったステージを見せてくれました。ジェイムズ・ブラウンばりのファンクをガツンとかました在日ファンクも思わず踊りだしたくなるかっこよさだったし、民謡クルセイダーズも以前見たときよりパワーアップしたように感じました。

すごいなと思ったのは、オリジナル・ラブの田島貴男。たったひとりでギターの弾き語りのライヴを繰り広げましたが、テンションの高さにただただ圧倒されました。レゾネーターでスライドはやるは足でリズムとりながらソロもガンガン弾くわで、ひとりでフルバンド以上のことをやっているようにも思えました。

あと、初めて名前を聴くアーティストで特に素晴らしいと思ったのはイーノマヤコといーはとーゔです。イーノはジェシー・エド・デイヴィスをBGMに登場したときから「これはいけるかも?」という予感がしましたが、大当たり。アメリカン・ルーツ・ミュージックの香りを感じさせるサウンドが気持ちいいといったらないです。本人の歌も透き通るような清涼感があってよかったのですが、彼女のアコースティックギター、そしてマンドリンの響きがよかったですね。思わずCDを買ってサインしてもらいました、

いーはとーゔはメンバーはまだ若いようですが、ザ・バンドを彷彿させるサウンドは僕の好みのツボでした。

他にもいろいろ感想はありますが、フェス終了後、暫くこの素晴らしい2日間の余韻に浸っておりました。来年も是非開催してほしいです。

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ロック | 00:31:27 | コメント(0)
鮎川誠RIP 1948-2023
鮎川誠さんが亡くなったそうです。

僕はブルース銀座を立ち上げた1996年、鮎川さんとちょっとしたやり取りがありました。

ちょうど同じ頃シーナ&ロケッツのウェブサイトが立ち上がってました。そのサイトはなんと、鮎川さんが自ら見よう見まねで作っていたのです。当時鮎川さんはインターネットに夢中になっていたようで、面白いウェブサイトを見つけてはシナロケのサイトにリンクしていました。そんな過程でブルース銀座も見つけてもらいました。僕も当時見よう見まねでhtmlを書き、画像をスキャンして、ブルース銀座を作っていたのです。音楽のこと、ウェブサイトのこと、メールを送るとすぐ返事が来ました。従来連絡するすべもなかったアーティストや著名人との繋がりが多く生まれたWWW元年でした。

1997年、僕がニューオーリンズにジャズフェスを見に行った際の話ですが、直前に連絡をもらい、鮎川さんも行くので向こうで会おうとのこと。現地に着くと指定されたフレンチクォーターのギャラリーへ。お店のスタッフに聞いてみましたが「彼はまだ来てないよ」と言われ、いつ来るかもわからないので、その場を後に。

翌日から僕らは昼も夜もライヴ漬けの毎日に突入。数日後だったか、ハウス・オヴ・ブルースでタジ・マハールのライヴを見てホテルに戻ったとき、時間は深夜を回っていたでしょうか。フロントの爺さんが「マコトから電話があったよ」と。

折り返し電話をしてみたら、鮎川さんが今からホテルに来ないかと。

鮎川夫妻が宿泊していたのはフレンチクォーターの中心のオムニ・ホテルだったかな。行ってみると、中庭に鮎川さんがシーナとザリガニをだーんっと広げてくつろいでいるではありませんか。「今日昼間通りででザリガニを売ってるのを見つけて丸ごと買ってきたけ、たくさんあるから食べてよ」と鮎川さん。やることが大胆だなぁと思いつつ、ご厚意に甘えました。深夜ということもあるのかも知れませんが、そこそこ広くおしゃれな中庭は鮎川夫妻と僕と妻、そしてザリガニの占有状態でした(笑)。

ザリガニにしゃぶりつきながらしばし歓談。何を話したか全く覚えていませんが、他愛もない音楽話をしていたんではないかと思います。鮎川夫妻は偉ぶったところが全くなく、僕らにも旧友のように接してくれました。特にロックンロールやブルースの話をすると、鮎川さんは少年のように嬉しそうに目を輝かせていたのが印象的でした。鮎川さんにとってはローリングストーンズもウィルコ・ジョンソンもマディ・ウォーターズもロバート・ジョンソンも、オーティス・レディングもみんなロックンロールなんだろうなと思いました。ジャンルなんて関係ない。自分の好きなものはとことん好き。そんな感じだと思いました。

鮎川さんのパソコンとインターネットへの思いをつづった「DOS/Vブルース」という本がこの頃出版されました。興味を持ったことに一途になる鮎川さん。面白いなあと思いましたし、大いに共感もしました。僕はMacユーザでしたが。。。

帰国後もJIROKICHIにライヴを見に行き、休憩時間に話したのを覚えています。お店の前の路上でうんこ座りをしながら普通に(笑)。

2016年のクリス・ファーロウの来日のときだったか、見に来られていた鮎川さんに挨拶しましたが、お会いしたのはそれが最後となってしまいました。昨年5月29日、日比谷野音のTOKYO BLUES CARNIVALでは三宅伸治のバンドにゲスト出演。変わらずお元気そうでしたが、発表によると癌が見つかったのはまさに5月だったといいますから、恐らく余命宣告を受けた直後だったんでしょう。そんなことは微塵も感じさせないいつもの鮎川さんでした。

27年前に出会ったシナロケのウェブサイト、今も基本的にあの当時のままの手作り感満載です。業者に任せればいいのに、でもそこもまた鮎川さんらしいというか、ロックンロールなんだなーと思います。

鮎川さん、安らかにとは言いません。向こうの世界でも爆音かき鳴らしてください!
https://www.facebook.com/photo/?fbid=712607730243549&set=a.575088230662167





ロック | 12:22:27 | コメント(0)
映画「エルヴィス」いよいよ公開

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近年伝記映画が多く作られているように思いますが、エルヴィス・プレズリーの映画が公開になります。

その名もズバリ「エルヴィス」。

公開は7月1日からですが、先日一足早く試写会で見せてもらいました。この手の映画としては、2時間39分という長丁場。しかし、監督のバズ・ラーマンによると4時間のバージョンも作っているそうなので、これでも詰めて詰めて短くした結果なんでしょうね。

そのせいなのか、全編を通じてずっとジェットコースターに乗っているような目まぐるしい展開で、だれるところが全くない映画です。眠くなることもなく、あっという間に終わってしまいました。

主役はもちろんエルヴィスなのですが、彼の映画というよりは、彼と悪名高いマネージャーのコロネル・パーカーとの人間関係を描いたドラマという捉え方が正確かも知れません。主役は確実にこの2人です。

エルヴィスは、若くして亡くなったスターだけにどうしても暗い影に覆われた感はありますが、音楽を堪能するという観点でもみてもそれなりに楽しめます。エルヴィス役のオースティン・バトラーは容姿はエルヴィスとは異なりますが、動きはしゃべり方などよく研究していますね。当時問題となったステージ上でのセクシーなアクションなどは、特に後ろ姿では本物か?と思ってしまいました。

歌はエルヴィスの歌の吹き替えと、バトラーが歌っているものと両方あるようです。違和感はありませんでした。

音楽的に見ると、ちょい役ではありますが、ビッグ・ボーイ・アーサー・クルーダップ役で登場するゲイリー・クラーク・ジュニアはブルージーに決めていていい感じでした。それよりもっと迫力を感じたのは近年にわかに注目を集めているシンガー、ヨラです。彼女はシスター・ロゼッタ・サープ役で登場するのですが、このシーンはなかなかの聴きごたえです。本編のストーリーとは若干外れたところながら注目ポイントです。

映画にはB.B.キング(役:ケルヴィン・ハリソン・ジュニア)も登場し、彼は他のミュージシャン役と異なりセリフも多く、より重要な役柄ですが、全く演奏シーンがないのは不思議に思いました。

演出的にはギドギド感強めの映画ですが、それなりに面白いです。50年代のビール・ストリートのシーンとか、ブルース・ファンとしても見どころは多いですよ。

あと、忘れてはならないのはコロネル・パーカー役のトム・ハンクス。彼は撮影開始後にコロナにかかり、しばし撮影が中断したそうですが、問題多きこの人物を見事に熱演しています。パーカーがマネージャーでなかったら、まだエルヴィスは生きていたかも?来日公演もあったかも?などと色々考えさせられます。

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<b>【映画情報】</b>
邦題 エルヴィス
原題  Elvis
製作年 2022年
製作国 アメリカ
監督 バズ・ラーマン
プロデューサー 
   バズ・ラーマン
   ゲイル・バーマン
   キャサリン・マーティン
   パトリック・マコーミック
   シュイラー・ワイス
時間 159分
日本配給 ワーナー・ブラザース映画
キャスト  • オースティン・バトラー(エルヴィス・プレズリー役)
      • トム・ハンクス(コロネル・トム・パーカー役)
      • ヘレン・トンプソン(エルヴィスの母、グラディス役)
      • リチャード・ロクスバーグ(エルヴィスの父、ヴァーノン役)
      • オリヴィア・デヨング(エルヴィスの妻、プリシラ役)
      • ルーク・ブレイシー(ジェリー・シリング役)
      • ナターシャ・バセット(ディキシー・ロック役)
      • デイヴィッド・ウェナム(ハンク・スノウ役)
      • ケルヴィン・ハリソン・ジュニア(B.B.キング役)
      • ゼイヴィア・サミュエル(スコッティ・ムーア役)
      • コディ・スミット=マクフィー(ジミー・ロジャーズ・スノウ役)
      • ジョッシュ・マクコンヴィル(サム・フィリップス役)
      • ヨラ(シスター・ロゼッタ・サープ役)
      • アルトン・メイソン(リトル・リチャード役)
      • ゲイリー・クラーク・ジュニア(アーサー・クルーダップ役)
      • クレ・モーガン(マヘリア・ジャクソン役)
      • ションカ・ドゥクレ(ビッグ・ママ・ソーントン役)
公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/



ロック | 05:07:11 | コメント(0)