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堺ブルースフェスティバルのレポート

9月17、18日に開催された堺ブルースフェスティバルに行ってきました。 

フェスのレポートをブルース&ソウル・レコーズ誌のウェブサイトに載せてもらいましたので、ご覧ください。

【LIVE REPORT】堺ブルースフェスティバル 街がブルースの音色に彩られた2日間
2023.9.29
https://bsrmag.com/special/sakaibluesfes_2023/

会場では出演者の人たちを含めてたくさんの人に会うことができました。僕を見つけてわざわざ声をかけてくれた人もいました。ありがとうございました。

BSR誌サイトで載せられなかった写真をいくつか載せてみました。


mrohyeah
Mr. Oh Yeah (9/17, East Stage)

The Goro Band
The Goro Band (9/18, West Stage)

Charlie Kosei
Charlie Kosei (9/18, East Stage)

The Boogie Rockets
The Boogie Rockets (9/18, West Stage)

Johnny Burgin 菊田俊介
Shun Kikuta & Johnny Burgin (9/18, East Stage)

Feelbox with Friends
Feelbox with Friends (9/17, West Stage)

Richiman Groove Nice
Richiman & Groove Nice (9/17, West Stage)

ザビエル大村
ザビエル大村 (9/18, CAT Stage)

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East Stageそばの食べ物ブースエリア






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ブルース | 10:17:18 | コメント(0)
東京の猛暑にエクセロのルイジアナ・サウンドを
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連日異常なまでの猛暑が続きますね。

こんな季節にはルイジアナのまったりとしたブルースが聴きたくなりませんか?そうです。皆大好きエクセロ・サウンドです。スリム・ハーポを筆頭としたあのしっとり(いやじっとり?)かつほのぼのとゆるいあの独特なサウンド。一度ハマるとするめのように癖になりますよね。

そんなエクセロをテーマにしたフェスが開催されました。主謀者は、5月に高円寺でMuddyというバーを開店させた徳力洵さんです。しかもこの企画、今回で5回目なんだそうです。本場ルイジアナでもあり得ないようなこんなフェスを日本でやってしまうとは何とも頭がいかれています。きっとこの猛暑で加速してしまったのでしょう。

「日本最大級のエクセロイベント」だそうですが、当たり前です。こんなイベントは他にありませんから(笑)。


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All-starsで奏でる"Rainin' In My Heart"

8月7日、会場はもちろん高円寺Muddy。月曜日にも関わらずお店は頭の逝っちゃった人たちで溢れました。19:30を回った頃、この日出演予定のミュージシャン全員が壇上に上がり、スリム・ハーポの"Rainin’ In My Heart"からスタートしました。いきなりフィナーレのような展開にのけぞる客席。いやいや素晴らしい。途中の加山雄三的語りをやったのはLos Royal FlamesのCount D.。やっぱりやりますよね、いくらベタでもこれは外せない。

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ロッキン・エノッキー

その後は、まずロッキン・エノッキーさんがソロでロカビリー、カントリー的なものも混ぜ込んだセットを披露。ソロとは言っても弾き語りのようなしっとりとしたものではないですよ。クラレンス・ガーロウの"Route 90"などノリノリな演奏でした。

続くLos Royal Flames。もちろんいつものスワンプ・ポップのレパートリーもありましたが、この日のためにスリム・ハーポの"Got Love If You Want It"などエクセロのナンバーもいくつかやってくれましたよ。のんちゃんのリヴァーヴ効きまくりのギター、最高ですね。

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Los Royal Flames

最後はマスター徳力さんのギターとハーピスト、タケちゃんのRainin’ In My Hearts。もう、この名前だけで持っていかれるでしょ?段ボールで作ったドラムも入った3人編成。スリム・ハーポはもちろん、エクセロ・サウンド満載でしたよ。途中からギターの人がもう一人入りますますパワー・アップ。スワンピーなこの雰囲気。ここは一体どこの国なんでしょう?(笑)


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Rainin' In My Hearts

彼らのセットが終わった頃にはときは既に10時となっていましたが、最後にエノッキーさんとCount D.によるエクセロ対談という、これまたマニアックなものが待っていました。雰囲気は飲み話(というか本当に飲み屋での話ですから)で、エクセロの名盤がレコーディングされたルイジアナ州クロウリーに行った際のエピソードが語られました。あそこはアメリカ随一の米の産地で「Rice Capital of the World」という看板が掲げられていたとか、ミュージアムにJ.D.ミラーの蝋人形があったとか、面白い話が飛び出しました。なかなか、クロウリーまでは行かないもんね。

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ライヴ終了後にはJ.D.ミラーを語るトークコーナー

という訳で全てが終わった頃には開演後3時間が経過していました。フジロックなどでは絶対に味わえない場末な雰囲気がなんとも気持ちのよい一夜。やっている人たちが何より楽しそうでした。これ、結構重要です。ぜひこれは今後も続けてほしいです。

あとついでに言いますと、Muddyは敷居も低いとても居心地のよいいいお店ですよ。高円寺の駅からも近く、飲んだ後にちょっと寄るには最適です。ライヴはときどきあるだけですけど、毎日2時までやっているらしいです。(月曜定休)ぜひ行ってみてくださいね。

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高円寺Muddy (旧Traghetto)
〒166-0002 東京都高円寺北3丁目22−7 プラザ高円寺 2F
Tel. 03-6320-7454
https://twitter.com/Muddy2360289068
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ブルース | 01:18:22 | コメント(0)
復活!Country Blues Heaven
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Country Blues Heavenが6年ぶりに開催されました。知る人ぞ知るディープなブルース・バー、江古田倶楽部が主催し2009年に初めて開催。以後不定期ながら2017年まで5回を数えています。江古田のBuddyが会場となっていましたが、2017年は豊橋に遠征しています。

江古田倶楽部でライヴをやってきたミュージシャンたちが集まり、その名の通りカントリー・ブルース展開するイベントです。渋いと言えば渋い。いや激渋です。

近年は江古田倶楽部のマスター、出原義史さんが体調を崩して入退院を繰り返していました。更に2020年以降コロナ禍に突入したことにより、Country Blues Heavenはおろか、お店もまともに営業はできない状況が続きました。そして2021年8月6日に出原さんが亡くなり、40年以上に渡る江古田倶楽部の歴史に幕が下ろされたのでした。

そんな状況でしたが、Country Blues Heavenは会場を横浜に移し、なんと6年ぶりに復活しました。出演者のひとりだったなにわのてつ(藤縄てつや)さんが数ヶ月前に「やろう」と言い出したのがきっかけだったそうです。出演したのはそのてつさんを含め、過去のCountry Blues Heavenでお馴染みの7名。

土曜日の16時、シンガーソングライターの垂水秀人さんのMCに続いて登場したのはROIKIさん。トークで笑いを取りつつも、のっけから相当ドロドロと濃いやつ来ました!お客さんも結構入っていて、弾き語りのライヴなのに熱気を感じます。まあ、猛暑のせいかもしれませんが、季節と雰囲気は合っていますね。


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ROIKI

続く菅原広巳さんは同じ弾き語りでもフォーキーで牧歌的な好対照なサウンド。出演者それぞれが個性を発揮したステージを見せてくれるので、飽きることがないです。ベア・ホーク・ウルフさんはタップダンスに加え、選曲もジャズ寄りなものを織り込み多彩でした。豊橋からやってきた銀次郎さんは豊橋での開催は主導的な役割を果たしたそうですが、関東でのBlues Heavenは初出演とのこと。レゾネーター・ギターでロバート・ジョンソンなどのブルースをプレイしました。

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菅原広巳

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銀次郎

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ベア・ホーク・ウルフ


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なにわのてつ

W.C.カラスさんは近年WILD CHILLUNでの活躍もあり、どブルースの印象は薄いですが、この日は渋ーくSMブルースからスタート。しかし終盤は軍手の煮浸しで前のめりになり、うどんやで泣いたでは客席大合唱に。大いに盛り上げてくれました。

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W.C.カラス

そして、彼のあとに出てトリを務めたのはコージー大内さん。めちゃくちゃカッコいいけど笑っちゃう。あのノリは彼しか出せない世界ですね。なにわのてつさんもウォッシュボードなどで共演し、盛り立てます。そうそう、コージーさんは今新作を作っているとのことで、新ネタも織り込んでいました。楽しみですね。

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コージー大内

そして最後は出演者全員戻ってきてコージーさんのMojo Workin’の替え歌からSweet Home Chicagoへ。賑やかにフィナーレとなりました。終演後時計を見たらなんと21時を回っていました。5時間に渡るイベント。楽しかったですねー。当初心配されたチケットの売れ行きも最終的には、ほぼソールドアウトに近い状態だったそうで、期待していた人は多かったんでしょうね。江古田から離れた会場ではありましたが、江古田倶楽部常連さんだった人も多く来場していました。

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フィナーレも盛り上がりました

てつさんの思いつきから始まったそうですが、来年以降もまたやってほしいですね。

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Country Blues Heaven in Yokohama 2023
横浜Thumbs Up
2023年7月22日(土)15:30開場 16:00開演
出演者:W.C.カラス / ROIKI / なにわのてつ / コージー大内 / 銀次郎 / ベア・ホーク・ウルフ / 菅原広巳
前売:3,500円 当日:4,000円


ブルース | 18:46:47 | コメント(0)
月曜から熱かった Natsukoさんの下北沢ライヴ
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6月12日、下北沢メンフィス兄弟でのハーモニカ奏者Natsukoさんのライヴ。ゲストも豪華で雨の降る月曜日にも関わらず、大盛況でした。ライヴが始まった20時には、既にお店は熱気ムンムン。

Natsuko's Blue Monday Vol. 4
Natsuko (harp, vo.) with Taiki N (gt., vo.)
Guest Live: Spider Tetsu (gt., vo.) with Gane (double b.)
Guest DJs: 鈴木啓志、関口弘

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スパイダーさんを見るのは凄く久しぶり。ハウリン・ウルフの”Howlin’ for My Darlin’”からスタートした45分のセットは、マディ・ウォーターズやロバート・ジョンソンなどドロリと濃いブルースをぶちかましたのに加え、サム・クックの”Change Is Gonna Come”ではじっくり歌い上げ、ウィリー・ディクソンの”Violent Love”やルイ・ジョーダンの”Is You Is Or Is You Ain’t My Baby”などこじゃれたジャイヴ、スウィングの選曲も飛び出し、ご機嫌な内容でした。スパイダーさんはちょっぴり自虐ネタ入った語りも面白い。気迫がこもったノリノリなショー。大いに盛り上がりました。

Natsukoさんは、このメンフィス兄弟で定期的にライヴをやるようになって、これが4回目だそうですが、やっと見に来ることができました。(いつも気づくと終わっていた;;)最近一緒に活動しているというギタリストのTaiki Nさんとのデュオ・スタイル。リトル・ウォルターなど王道のブルース・ハープ系ナンバーだけでなく、カーティス・メイフィールドやレイ・チャールズなどソウルも織り交ぜ、サウンドに幅を持たせていたのが印象的でした。2人ともリード・ヴォーカルを取ったのですが、冒頭でやったジミー・リードの”Bright Lights, Big City”を始め、随所で息の合ったハーモニーを聴かせていたのも魅力の一つだったように思います。

ライヴ後はこの2人でレコーディングした10曲入りのCDを購入。帰宅後さっそく聴きましたが、この日演奏された曲も複数入っていて、ライヴ土産にぴったりな作品でした。最後の1枚だったとのことで、ちょっと得した気分。

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ライヴ前、休憩時間、ライヴ後とお二人のDJはクラシックなブルース&ソウルのシングル盤をたっぷりかけて雰囲気を盛り上げてくれました。これも最高。鈴木啓志さんはメンフィス兄弟初登場でしたが、実は今週日曜日6月18日に「米国南部音楽の夕べ」で再びDJをやります。今回見逃した方は是非どうぞ。こちらは僕も出ます。

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テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

ブルース | 23:30:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
5月8日はロバート・ジョンソンの誕生日
5月8日はデルタ・ブルースの雄、ロバート・ジョンソンのお誕生日です。彼は1911年5月8日、ミシシッピ州南部のヘイゼルハーストに生まれました。そして1936年、1937年の2回のセッションで29曲をレコーディングしたのち、1938年8月16日、27歳の若さで亡くなったのです。彼の死についてはジョンソンが手を出した女の夫によって殺害されたと言われていますが、謎な部分も多く、死亡証明書には死因すら書かれていません。

亡くなってから85年が経過してなお彼の音楽は多くの人を惹きつけています。

3年前の2020年、彼の義理の妹であるアニエ・アンダーソン(Annye C. Anderson)による回想録が英語で出版され、話題になりました。その内容はこれまでのジョンソンのイメージを覆すもので、僕もおおいに興味をもって読みました。この本は近々和訳版が出版されるそうです。是非ともブルース・ファンには読んでほしい一冊です。

3年前にブルース&ソウル・レコーズ誌で僕書いた記事を記事をここに紹介させてもらいます:

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Brother Robert: Growing Up with Robert Johnson
Annye C. Anderson
Hachette Books
ISBN-10: 0306845261
ISBN-13: 978-0306845260

2020年春、ロバート・ジョンスンの未公開写真とされるものが公開され、ちょっとした話題となった。その写真を持っていたのがこの本の著者アニエ・アンダースン、今年94歳となるジョンスンの義理の妹に当たる人物だ。写真が本物ならば、彼の写真としては3枚目ということになる。

しかし正直僕は懐疑的だった。前回の写真が公開されてから30年が経っている。その間にもジョンスンとされた写真が出回ったことがあったが結局、鑑定の結果否定されている。そんな写真があるのならば、なぜ今まで「隠し持って」いたのか?血縁関係もないこの人物は何者なのだろうか?当初は、そんな疑いを持ってしまった。

しかし、この本を読み進めるうちにアニエの語るストーリーに引き込まれ、そんな思いはどこかへ消えてしまった。ジョンスンが1938年に亡くなった際、アニエはまだ12歳の少女だったが、生まれてからそのときまで生活を共にしており、彼の人となりを本書で克明に語っている。今回の写真は、本書執筆の話が出た段階で彼女が出してきたものであり、既に公開されているジョンスンがタバコを加えている写真と同じときに撮影されたものだ。その際、彼女はジョンスンと一緒にいたといい、その状況も語っている。偽物と疑う理由はないと感じた。

アニエは、ジョンスンの母親(ジュリア・ドッズ)の夫だったチャールズ・ドッズを父親に持ち、彼の再婚相手が母親だ。ジョンスンが生まれた際ジュリアはチャールズとまだ婚姻関係にあったものの、ジョンスンの父親は別の男性だった。このためアニエとジョンスンには血縁関係はない。しかし、ジュリアはチャールズと別れた後、生活に困窮し幼いジョンスンをチャールズに託したのだった。その後、アニエが生まれた。2人はそういう経緯で家族として一緒に生活していたのだ。アニエは幼少期をメンフィスでジョンスンと過ごし、その後ワシントンDCで大学を卒業、ボストンで教師となった。現在はマサチューセッツ州アマーストに住んでいる。

本書は、「Beale Street Dynasty」等の著書で知られるライター、プレストン・ローターバックがアニエにインタヴューを行い、それを書き起こす形で執筆された。アニエは本書を出すに当たり、1930年代のメンフィスについて造詣が深いライターを希望していたことから彼に白羽の矢が立ったという訳だ。

この本の魅力は、これまで我々音楽ファンが思い描いていたジョンスンの人物像とは全く違った視点から彼のことを描き出していることにある。これまでのジョンスンのイメージと言えば、放浪生活を送りながら音楽活動をしたこと、あるいは悪魔に魂を売り渡したことなどはよく言われるが、彼がどういう人だったのかは謎に包まれたままだった。

アニエが今回ジョンスンのことを語ろうと決意したことはまさにそこに関係がある。彼女にはこれまでもインタヴューのオファーはあったそうだが、断っていたのだという。家族が関知しないところで、ジョンスンの伝説が独り歩きする状況で、自分が語っても、嘘の中に埋もれてしまうだけ、彼女はそう考えていた。しかし、彼女も歳を取り、今語らねば自分が死んだら本当のジョンスンの姿は知られることなく永遠に消えてしまうという思いから、本の出版を希望したのだそうだ。

彼女が強調しているのは、ジョンスンにも愛する家族がいたということ。彼女は本書の中で家族のことはもちろん、当時住んでいたメンフィスの街の様子、そして近所の人々のことなどを語っており、当時の彼らの生活が目に浮かぶようだ。

そしてそれは、当時の米南部の黒人の暮らしの厳しさをも教えてくれる。アニエの父チャールズは白人との暴力沙汰に巻き込まれ、ヘイゼルハーストに妻ジュリアを置いたまま、姓を変えてメンフィスに逃げざるを得なかった。ジュリアはその後別の男性との間にジョンスンを産み、チャールズはメンフィスでアニエの父親になった。アニエは本書の中で、その不幸な事件がなければジョンスンも彼女もこの世にはいなかっただろうと語っている。その事件のことを彼女は父親から直接聞いていたのだった。

彼女はジョンスンが亡くなったときのことにも触れている。彼の死を伝える電報が届き、家族が大きなショックを受けていたこと。すぐに家族が現地に赴き遺体を引き取ろうとしたものの、既に埋葬されていたこと。なぜ亡くなったのかはわからずじまいだったとことなどが記されている。

ジョンスンが亡くなったあとの事柄にページを割いているのも興味深い。アニエ自身のことも含め、その後の家族の足取りを記している。ジョンスンの姉、キャリー・トンプスンとスティーヴ・ラヴィア、マック・マコーミックとの関わり合いに関する記述は胸が痛む内容だった。特にラヴィアについては、キャリーから借りたジョンスンの写真を返却せず、無断で自分の著作物として登録してしまったこと。彼女のためにジョンスンのロイヤルティを回収すると申し出ておきながら、彼女には支払わず自らの私服を肥やしていたことなどを証言している。

アニエは、キャリーが1983年に他界するまで親密な関係を維持しており、ラヴィアとの揉め事では年老いたキャリーに代わり弁護士にコンタクトするなど、彼女をサポートしていた。ラヴィア、マコーミックの件はこれまでも語られてきているので、全く新しい話ではないが、ここで語られる内容は詳細で生々しい。「私の家族はロバート兄さんを二度失っているのです。一度は彼がミシシッピ州で殺害されたとき、二度目は金の亡者たちが作り話をばら撒き、私たちから写真と思い出を盗み、それによって金儲けをしたときです」アニエはそう語っている。

アニエが1970年代にジョンスンの情報を求めてブルース・ミュージシャンたちに会いに行った話も目を引く内容だった。中でも印象に残ったのはウォルター・ホートンの話だ。彼はメンフィスでジョンスンと共演しており、アニエもそれを覚えていた。それから40年後、彼女はケンブリッジのクラブでホートンに再会。彼はすっかり年老いていたが、アニエのことをよく覚えていたと言うのだ。

ジョンスンを直接知る最後の人がこのような形で語ってくれたことの意味は非常に大きい。和訳版もぜひ期待したい。
(陶守正寛; ブルース&ソウル・レコーズ誌 No. 155より)

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日本語版の出版に関する詳細がわかりましたら、改めて紹介したいと思います。


ブルース | 23:11:00 | コメント(0)
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